文献詳細
特集(増刊号の)5 尿路・性器疾患の化学療法(感染症と腫瘍)
Ⅲ.尿路・性器悪性腫瘍の化学療法
文献概要
はじめに
現在,悪性腫瘍の治療の主体は手術的治療にあるが,手術のみによつて根治性が得られない場合が多く,放射線治療,抗がん剤による化学療法が補助的療法(adjuvant therapy)として重要なものとなつている。また手術的治療法,放射線療法が局所的であるのに反し,がん化学療法は全身的に作用する点が特徴の一つであり,その対象は担がん生体にある腫瘍細胞の全部であると考えてよい。悪性腫瘍を完治することができるようになるためには,その治療は局所的であつてはならず,対象は担がん生体の全腫瘍細胞でなければならない。この見地よりすると,がん化学療法には大きな可能性があると考えられる。
しかし,現時点におけるがん化学療法には一般に未解決の問題が多く,尿路悪性腫瘍の化学療法においても,その効果が確認されているものは少ない。各種抗がん剤の特微,投与方法,副作用等について十分知識をもち,さらにがんの進行度,患者の一般症状等慎重に検討した上で化学療法の適応は決められるべきである。
現在,悪性腫瘍の治療の主体は手術的治療にあるが,手術のみによつて根治性が得られない場合が多く,放射線治療,抗がん剤による化学療法が補助的療法(adjuvant therapy)として重要なものとなつている。また手術的治療法,放射線療法が局所的であるのに反し,がん化学療法は全身的に作用する点が特徴の一つであり,その対象は担がん生体にある腫瘍細胞の全部であると考えてよい。悪性腫瘍を完治することができるようになるためには,その治療は局所的であつてはならず,対象は担がん生体の全腫瘍細胞でなければならない。この見地よりすると,がん化学療法には大きな可能性があると考えられる。
しかし,現時点におけるがん化学療法には一般に未解決の問題が多く,尿路悪性腫瘍の化学療法においても,その効果が確認されているものは少ない。各種抗がん剤の特微,投与方法,副作用等について十分知識をもち,さらにがんの進行度,患者の一般症状等慎重に検討した上で化学療法の適応は決められるべきである。
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