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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科26巻13号

1972年12月発行

文献概要

特集(増刊号の)5 尿路・性器疾患の化学療法(感染症と腫瘍) Ⅲ.尿路・性器悪性腫瘍の化学療法

性器・副性器悪性腫瘍の化学療法の適応

著者: 黒田恭一1

所属機関: 1金沢大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.163 - P.170

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まえがき
 男子性器および副性器の悪性腫瘍の化学療法については,内外の成書にほとんど記載が見られないように,普及の域に達していない。悪性腫瘍に対する治療の根本原則は手術療法であり,しかも早期根治手術が基本となつていることは,古今東西において不変である。しかしその適応範囲や遠隔成績は,各臓器によりかなりの差異が見られる。また補助療法にも各種のものがあり,その併用形式や組合せ法においても臓器による差異がいちじるしい。
 補助療法を性器および副性器の悪性腫瘍についてみると,睾丸悪性腫瘍特に精上皮腫には照射療法が有効であり,前立腺癌の大多数例には抗男性ホルモン療法が有効で次善的地位を占めており,陰茎癌では新しい抗癌剤のBleomycinが脚光を浴びている。しかし陰茎癌の早期症例に対するBleomycinの著効性を除いては,化学療法の第1選択的適応は見当たらず,原発巣に対する治療法としての化学療法の地位は,他種療法との併用の線にしぼられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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