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特集(増刊号の)5 尿路・性器疾患の化学療法(感染症と腫瘍) Ⅲ.尿路・性器悪性腫瘍の化学療法
膀胱癌の転移に対する化学療法の問題点
著者: 宍戸仙太郎1 鈴木騏一1 杉田篤生1
所属機関: 1東北大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.181 - P.188
文献購入ページに移動今日までに種々なる抗癌剤の開発がなされてきたが,その効果は動物実験により確かめられるとともに,臨床的にも投与が行なわれ,種々検討がなされている。しかし実際に臨床的に投与する場合に,常に問題となるのは副作用の存在である。したがつてこれらの抗癌剤をいかに投与すれば副作用がなく最大の制癌効果が挙げられるかの研究,いい換えると投与法の検討に関する報告がほとんどであり,またその多くは可移植性腫瘍を腹腔内あるいは皮下に移植して後,同一局所に抗癌剤を投与し,その延命効果あるいは腫瘍の大きさの変化などにより判定しているもので1〜5),遠隔転移に対する抗癌剤の影響を検討した報告はきわめて少ない。また同時に膀胱癌の転移巣に対する化学療法の効果を検討した報告は殆んだ見当らない状態である。よつて今回私共は教室で行なつた移植膀胱腫瘍に関する実験成績と,手術療法に併用した化学療法の効果をもとにして,膀胱癌の転移巣に対する化学療法の問題点を述べてみたいと思う。
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