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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科26巻13号

1972年12月発行

特集(増刊号の)5 尿路・性器疾患の化学療法(感染症と腫瘍)

Ⅲ.尿路・性器悪性腫瘍の化学療法

前立腺癌のホルモン療法—特にその作用機序について

著者: 志田圭三1 島崎淳1 伊藤善一1 山中英寿1

所属機関: 1群馬大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.237 - P.242

文献概要

はじめに
 Huggins博士により提唱された前立腺癌抗アンドロゲン療法は,癌に対する薬物療法開発の先鞭をつけた輝かしい業績をもつものであるが,最近に至り,長年月にわたる予後調査の結果,批判の声もうまれてきている。その最たるものは1970年Cancer誌上に発表されたVeterans Administrationグループの成果である。非進行症例ではフラセボー投与は少なくとも延命効果においてdiethylstil-bestrol投与にまさつており,進行症例においてのみdiethylstilbestrolが有意の延命効果をもたらしているにすぎない。長期間にわたるエストロゲン投与が脂質代謝をみだし,心血管系障碍をきたす事が上記現象の一因とも考えられている。本稿では,抗アンドロゲン療法の根拠とされている前立腺癌アンドロゲン依存性の問題,抗アンドロゲン作用のメカニズム等について,記載をすすめる事にしたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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