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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科26巻2号

1972年02月発行

文献概要

綜説

睾丸の発生異常

著者: 志田圭三1 島崎淳1

所属機関: 1群馬大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.93 - P.103

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Ⅰ.胎生期における睾丸の発育
a)睾丸原基とその発生
 泌尿性器系という呼称の示すごとく,尿路系と性器系とは発生学にも密接な関連をもつている。胎生5週頃,原始体腔の背側腸間膜の両側において,腹膜の皺襞肥厚という形態でまず尿生殖隆起urogenital ridgeが発生する。
 6週頃になると,この尿生殖隆起は2つに分かれ,正中側は生殖隆起genital ridgeに,外側部は原腎隆起mesonephric ridgeとなり,それぞれ特有の増殖分化をきたし,前者からは性腺が,後者からは原腎(中腎)が発生する。この時期における性腺は性別による形態学的差異は認められず,いわば両性ないし中性の状態である。生殖隆起の表層には腹膜上皮に由来する胚上皮germinal epi-theliumが重層し,その間に腸間膜起始部から迷入した特殊の腹膜上皮,すなわち原始胚細胞pri-mordial germ cellが混在し,下層には残存間葉系細胞が散在している。原始胚細胞は将来,精細胞となり,胚上皮はSertoli細胞となるものであるが,通常の検索では両者を区別することは不可能とされている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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