文献詳細
原著
Milk of Calcium Renal Stoneの1例
著者: 寺邑能実1 津川竜三2 島木彰3
所属機関: 1黒部厚生病院泌尿器科 2金沢大学医学部泌尿器科学教室 3高岡市民病院泌尿器科
ページ範囲:P.123 - P.129
文献概要
Milk of Calcium Renal Stoneは1959年にHo-well4)が命名したものであるが,それ以前に1937年Fresnais1),1940年Lüdin2),1941年Rudstörm3)らの症例が本症に相当するものとされている。Howell以後,欧米文献上14例5〜18)の報告がみられるが,本邦においては6例19〜23)を数えるのみである。われわれは約5年半にわたつて観察しえた本症の1例を報告するとともに,若干の文献的考察を加えてみた。なお本症例は既に第225回日本泌尿器科学会北陸地方会において一応診断例として報告24)したが,その後文献的に調査したところ同様の所見を呈する報告例に接し,本症であることが判明した。箸者らはできれば手術所見または穿刺吸引し内容物質の分析所見を加えて報告したいと考えていたが自覚症状のないことが主なる理由でそのまま今日に至つたものであり,ここに本邦例の1例としてあらためて報告する次第である。
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