文献詳細
原著
文献概要
新生児副腎出血は,出血症としては頭蓋内出血,肝出血についで頻度が高く重要視されている。文献的には,レ線像で副腎の石灰化像を発見したことから過去における出血の既往が推定されるような場合1〜3),あるいは出生後すぐに死亡したため剖検によつて始めて副腎の大量出血が発見された場合4〜6)などの報告も散見されるが,一般に本疾患は臨床症状が多彩なために,早期の診断および治療がなされえず,救命例は欧米においても1924年のCorcoran and Straussの第1例以来,1970年のJaegerの報告まで15例に過ぎないようで7〜17),他方本邦ではいまだその救命例の報告はみられていない(第1表)。
われわれは最近新生児に発生した副腎大量出血症例を経験し,これを救命しえたのでここに若干の文献的考察を加えて報告する。
われわれは最近新生児に発生した副腎大量出血症例を経験し,これを救命しえたのでここに若干の文献的考察を加えて報告する。
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