臨床泌尿器科26巻5号

1972年05月発行

原著

Adrenal restのAdenomaによるPrimary Aldosteronismについて

著者： 村橋勲¹³ 高崎悦司¹² 浅野美智雄¹ 岸洋一⁴

所属機関： ¹武蔵野赤十字病院泌尿器科 ²現東京都立駒込病院 ³現東京都立墨東病院 ⁴現東京大学附属病院

ページ範囲：P.395 - P.399

はじめに
　Primary Aldosteronismは，1955年Conn^1）により高血圧とhypokalemiaを主徴とする疾患としてはじめて発表された。その後本症に対する関心がたかまり，本邦においても既に143例以上が報告されている^2）。しかし，adrenal restのadenomaでPrimary Aldosteronismの症状を呈したという報告は内外文献上見あたらない。
　最近著者らは，高血圧，hypokalemiaを主訴として紹介された，43歳，主婦にPRPを施行し，大きな腫瘍陰影をみ，手術を施行し，adrenal restに発生したadenomaによるPrimary Aldosteronismの1例を経験し，治癒せしめたので報告する。