icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科26巻6号

1972年06月発行

原著

腎不全と貧血に関する検討

著者: 今川章夫1 横田武彦1 星野嘉伸1

所属機関: 1東京都立府中病院泌尿器科

ページ範囲:P.493 - P.496

文献概要

緒言
 貧血は腎不全につねにみられる所見であり,すでに1836年Bright1)が,はじめていわゆるBright氏病を記載した時に,"からだの苦痛をやわらげようとして瀉血を行なうと,血液の色は淡黄色で,また血清はミルク様不透明である"と腎機能障害の進行に併つて貧血がみられることを指摘している。以来腎機能低下にみられる貧血は,腎性貧血とよばれ,発生病理,病態生理,病態生化学などに関して数多くの論文がみられるが,腹膜透析血液透析などの保存的療法により,腎不全患者のある程度の延命,社会復帰が可能になつた現在もなお,根治療法としての腎移植以外13),腎性貧血の治療に関しては未だ決定的なものはない。また一方腎不全のある患者に輸血を行ない,急速にHematocrit値を上げると,糸球体濾過値が一過性に低下し,血中尿素が上昇することがしられており,血液透析療法の普及につれ,末期腎不全患者が延命するにつれ,失血の機会も多く,輸血量の決定に悩まされることもしばしばである。今回われわれは腎不全と貧血に関し臨床的検討を加えたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら