文献詳細
原著
スプリントカテーテルを用いない尿管形成術—近位における一時的尿流変更による
著者: 伊藤秦二1 加野資典1
所属機関: 1大阪成人病センター泌尿器科
ページ範囲:P.603 - P.608
文献概要
近年尿管の形成手術には広くスプリントカテーテルが用いられるようになつた。しかしながら,カテーテルという異物を長期間にわたつて尿管内に留置することの弊害もいくつか考慮されねばならない。
その1つは尿路感染である。これは尿道へのカテーテル留置が早晩尿路感染をもたらすのと同様である。第2にはカテーテルの存在は尿管の正常の蠕動を妨げるし,特に尿管内径に対してスプリントが太すぎる場合には尿管壁の虚血,ひいてはその線維化をもたらし,これらは上部尿路の水力学的な見地から好ましくないことはZimskindら(1968)の実験によつても明らかなことである。
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