文献詳細
原著
後腹膜腫瘍を疑わせた大腰筋内顆粒細胞性筋芽細胞腫(Granular Cell Myoblastoma)の1例
著者: 渡辺哲男1 近藤元彦1 木根渕清志1 高木直行2 安間嗣郎3
所属機関: 1順天堂大学医学部泌尿器科学教室 2順天堂大学医学部内科学教室 3順天堂大学医学部第2病理学教室
ページ範囲:P.697 - P.703
文献概要
いわゆる顆粒細胞性筋芽細胞腫granular cellmyoblastoma(以下G.C.M.と略称)はAbrikos-soff任(1926)1)が5例を報告しmyoblasten myomaと名づけたのが最初である。その後欧米では550例以上2),本邦では50数例の報告が見られるが,現在その組織発生に関して定説がなく筋原説1,12),神経原説7,10),組織球説,線維芽細胞説5),間葉系細胞説19)),多元説18)などの諸説が組織培養あるいは電顕などの研究により発表されてきた。
われわれはその発生部位が比較的珍らしく,また本邦報告の良性例では最大と思われる本腫瘍を経験したので報告し,合わせて若干の文献的考察を行ないたい。
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