文献詳細
原著
尿管狭窄に対するシリコンチューブの経尿道的尿管内留置法
著者: 斯波光生1 大橋伸生1 山田智二1 稲田文衛1
所属機関: 1市立札幌病院泌尿器科
ページ範囲:P.713 - P.718
文献概要
尿管切石術後の尿もれや,婦人科手術後の尿管瘻などの保存的治療法として,尿管カテーテルを留置する方法は日常よく行なわれているが,留置した尿管カテーテルが体外に出ていると患者の自由が制限されるだけでなく,カテーテルの自然脱出や細菌感染の危険などがあつて,長期間の留置を続けることは不可能のことが多い。
この解決法としてSchmitz(1970)はポリビニール管を,Zimskind(1967)は石灰沈着や異物反応のより少ないシリコンチューブを,ともに経尿道的に尿管内に挿入したのちその下端を膀胱内におし込んでおく方法を発表,さらに折笠(1968,1970),Marmer(1970)らは,あらかじめ一定の長さに切つたシリコンチューブをBrown-BurgerCystoscopeで尿管内に挿入,その下端を膀胱内とする方法を考案,ともに癌の転移,浸潤による尿管狭窄や子宮癌手術後の尿管狭窄,尿管腟瘻などに応用して,腎機能の改善に著効をえたと報告している。
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