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原著
重複下大静脈を伴つた下大静脈後尿管の1例
著者: 松村聡1 鈴木騏一1
所属機関: 1東北大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.785 - P.789
文献購入ページに移動下大静脈後尿管は,本来は尿管の奇型というよりも,むしろ下大静脈の胎生期発育の異常によるといわれている。本邦における本症の報告例は1969年初めまでに75例を数えるが,これらの中で,下大静脈に異常を認めたとの記載は,横川,酒井1)が報告した両側下大静脈後尿管の不全型と考えられる症例以外にはまつたく認められない。
われわれは最近,下大静脈が前後に二分され,しかも尿管が,この二分された下大静脈の間を走行しているという珍しい症例を経験したので,多少の文献的考察を加えて,ここに報告する。なお本症例は対側の腎結核があつたために発見されたものである。
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