文献詳細
原著
いわゆるPseudoseminomaと判定された幼児睾丸腫瘍の1例
著者: 三樹明教1 成瀬克邦1 工藤茂宣1 舟生富寿1 永井一徳2
所属機関: 1弘前大学医学部泌尿器科学教室 2弘前大学医学部第1病理学教室
ページ範囲:P.807 - P.812
文献概要
小児睾丸の悪性腫瘍は比較的まれであり,しかもその大多数は奇形腫,胎児性癌で,セミノーマはきわめてまれとされている。しかし,本邦では西尾11)の集計以来1971年10月までに,交献上でほぼ26例を数えることができる。われわれは8ヵ月の幼児の左睾丸に発生した腫瘍を摘出,組織学的所見によりセミノーマと診断したが,さらに精査を加えたところ,その判定に問題が存したことが明らかにされたので,症例の詳細を報告し,検討を加える。
掲載誌情報