文献詳細
原著
文献概要
幼児における下部尿路通過障害は,従来多くの文献に報告されているが,その病因の決定は必ずしも容易でなく,治療方針も報告者によつて一定していない。とくに,下部尿路通過障害としばしば同時に存在する上部尿路の変化が,前者から二次的に発生したものか,あるいは尿管開口部異常に基づく二元的なものかの鑑別は困難で,しかもこれを区別することは治療上重要なことである。今回,われわれは,手術に先立つてかなり長期間の尿道留置カテーテルを行なうことによつて,患児の全身状態を改善し,同時に有効な治療方針をたてた2例を経験したので報告し,本方針のご批判を抑ぐしだいである。
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