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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科27巻2号

1973年02月発行

文献概要

原著

特異な脳波所見を示した特発性腎出血の4例

著者: 今林健一1 松村聡1

所属機関: 1東北大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.139 - P.144

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 いわゆる特発性腎出血とは常用の臨床検査ではその原因を明らかにし得ない腎出血に対する症候診断名である。Sheeleら1)によれば病理組織学的に出血の責任病巣をみつけ得る例もあるが多くの例では不明であるとされている。原田ら2)によれば特発性腎出血の原因は,1)腎血流障害を伴う自律神経異常,2)腎低酸素症に伴う毛細血管透過性亢進,3)種々の腎炎および腎盂炎,4)アレルギー性変化,5)腎杯静脈交通,および6)小病巣よりの出血,の6種に分類されているが,このほかにも各研究者によりそれぞれ異なつた見解が示されており未だ定説はない。
 一方,腎出血と自律神経との関係については,Broca (1894)が始めて指摘して以来Klemperer3),Reilly4),稲田5),仁平6),栗林7)らの数多い研究報告がみられるが,脳波所見と対比して検討した報告は後藤ら8)のほかには意外に少ない。今回われわれは血尿を主訴として来院し,cystometryによつて高位中枢障害を発見し,更に脳波検査によつてこれを確認したので向中枢性の薬物療法を行なつて血尿を消褪せしめ得た4例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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