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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科27巻3号

1973年03月発行

原著

停留睾丸のX線学的診断

著者: 酒徳治三郎1 小金丸恒夫1 広中弘1 上領頼啓1

所属機関: 1山口大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.235 - P.241

文献概要

緒言
 停留睾丸は,男子性器奇形のなかで最も頻度の高いものの一つで,臨床上も重要な疾患である。小児期では,陰嚢内容が空虚であるほかは一般に無症状で経過する。しかし,時に鼠径ヘルニア,外傷,捻転,悪性腫瘍などの合併がみられ,さらに思春期後の合併症として造精機能低下のための不妊症の原因となる。
 本症の診断法としては,一般には単純な視・触診法に限られており,症例の大多数はこれによつて一応は診断を下すことができるので,特殊的診断法の開発がなおざりにされていた。しかしながら,症例によつては睾丸の停留部位を確実に知ることが困難であつたり,非手術的方法にて下降を期待することができるか否かの判断に苦しむことも少なくない。したがつて,視・触診法の補助となる簡便な診断法の開発が望まれていた。最近,腹腔造影法の一種である andrography が1966年Lunderquist ら1〜3)により,またinguinal hernio—graphy が1967年 Ducharme ら4)によつて発表された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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