文献詳細
文献概要
原著
直接睾丸造影法—睾丸損傷への応用
著者: 篠田孝1
所属機関: 1トヨタ病院泌尿器科
ページ範囲:P.313 - P.319
文献購入ページに移動陰嚢内臓器をレ線学的に描出する試みはすでに1927年にMandlerとSlanina1)によつて始められているが,当時は空気あるいは酸素を陰嚢内に注入して撮影する,いわゆるPneumoorchographieと呼ばれる方法で,ヘルニヤの診断を目的として行なわれ,その後陰嚢水腫,精液瘤,慢性炎症,腫瘍などの診断に応用された。
著者は陰嚢部打撲で睾丸損傷を伴うような場合に,睾丸破裂の有無を術前に確認する目的で,1967年7月から,造影剤を直接睾丸実質内に注入してレントゲン撮影を行なう,いわゆる直接睾丸造影法(direct orchography)を実施して来たのでその知見を記述する。
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