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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科27巻5号

1973年05月発行

Urological Letter・148

開放性腎生検法—簡便法

ページ範囲:P.366 - P.366

文献概要

 原因不明の蛋白尿と進行性高窒素血症は腎生検の多くの適応症のうちの2つである。閉鎖性の針による腎生検の合併症については現在でも引きつづき報告されている。それらの合併症には大出血,肉眼的血尿,動静脈瘻形成および尿溢流などがある。腎の針生検を行なつた際に出血したうえ,採られた組織の量が診断には不十分であつたり,あるいは糸球体がまつたく含まれていなかつたりした場合ほど当惑することはない。
 開放性腎生検の利点は,常に十分な組織量を得ることができることである。出血も直視下に止めることができる。しかし,この方法にも危険が伴なうことがある。圧迫するために縫つた大きい縫合のために腎実質が裂けて問題を大きくすることもある。術後縫合糸が一部抜け落ちて,前に止めておいた動脈性出血が再び出て,再手術が必要となることもある。このような不幸な合併症が2度も起こつて結局腎摘出した例がある。しかし,この患者は幸い姉妹腎機能がほとんど正常にまで回復し,健康でいる。このように重篤な腎疾患の検査中に,救急手術として腎摘をしなければならないことはいやなことである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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