文献詳細
原著
婦人科的泌尿器疾患症例の検討—第1報 婦人科手術後の尿管閉塞例
著者: 杉田篤生1 川村俊三1 小津堅輔1 石崎允1 新井元凱1 岡村知彦1 鈴木騏一1
所属機関: 1東北大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.393 - P.399
文献概要
最近,臨床の各分野において境界領域にある疾患が脚光をあび,泌尿器科領域においても解剖学的関係から,特に婦人科領域との間にある疾患が取り上げられ検討されている。すなわち,婦人科領域の手術や疾患に起因して泌尿器科的器質障害や機能異常の生ずることは古くから成書に記載されていたが,子宮癌の早期発見により広汎性子宮全摘除術が広く行なわれるようになり,これらの疾患,いわゆる婦人科的泌尿器疾患に遭遇する機会も多くなつてきた。このために1958年の第46回日本泌尿器科学会総会のパネルディスカッションでは"婦人科的泌尿器科学"として,また1972年の日本泌尿器科学会総会では同じくパネルディスカッションとして"婦人科的泌尿器疾患"を取り上げ,大いに検討されている。
われわれは今回これらの疾患のうち尿管通過障害例を取り上げ検討したが,本稿ではそのうちの産婦人科的手術後にみられた尿管閉塞(狭窄)例について報告する。
掲載誌情報