文献詳細
原著
比較的若年者にみられた線維増生型前立腺肥大症(前立腺線維腫)症例
著者: 深見正伸1 土屋正孝1 宮川美栄子1 上山秀麿1 久世益治1
所属機関: 1京都市立病院泌尿器科
ページ範囲:P.415 - P.420
文献概要
前立腺肥大症は極めてありふれた疾患である。しかし,これほどポピュラーな疾患であるにもかかわらず,不思議なことに,疾患の定義・原因などの本態は今だなんら確立されていない。Morgagni (1760)1),Home (1811)2)以後数多くの学者により,解剖形態学的に結節の型・発生場所により分類されているにすぎず,それも前立腺から発生した結節といつても,あるものは腺腫様,またあるものは線維筋腫様の型をとるために,その発生論も概して二派に,すなわち,腺増生論派と間質増生論派とに分かれている。前者には,Jore (1894)3),Albarran (1902)4)らの研究があり,後者にはRcischauer (1925)5),Grassman(1928)6),Moore (1943)7)がある。
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