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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科27巻6号

1973年06月発行

文献概要

綜説

前立腺結石

著者: 小池六郎1 池上茂2

所属機関: 1杏林大学医学部泌尿器科学教室 2東京医科歯科大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.443 - P.451

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 前立腺結石という疾患名はかなり昔から知られていて,1586年Donatus1)により報告されたのが最初である。その後の症例報告は多々あつたが,1927年Thomas & Robert2)が交献的に305例を集めて報告している。その後の主な報告としてはBrady Urological Instituteの記録を調べたYoung(1934)3)の100例があり,後にFinkle(1954)4)はその後の症例を追加して361例にして報告している。そのほかLowsley(1938)5)の420例,St.Peter's HospitalにおけるFox(1960,1962,1963)6〜8)の484例などがある。
 前立腺結石の成因の検索が進むにつれ,組織学的に顕微鏡でやつと発見されるような小さな前立腺結石は思春期以後には多かれ少なかれしばしば発見されるものであることがわかつてきた。Joly(1927)9)も,こういうような小さな前立腺結石はほとんどすべての老人にみられるもので,そのための症状を訴えるものは非常に少なく,病的とはいい難いとしている。そこで少なくともX線写真上で結石像が発見される程度に大きいか,手術により肉眼的に見分けられる程度に大きいものを前立腺結石とするのが妥当であると考えられ,上述の症例もみなこの線に沿つて報告されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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