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原著
腎腫瘍と誤まつた神経芽細胞腫の1例
著者: 福岡洋1 吉邑貞夫2 武田尚2 植草富二郎3
所属機関: 1神奈川県立こども医療センター泌尿器科 2小田原市立病院泌尿器科 3小田原市立病院検査科
ページ範囲:P.465 - P.471
文献購入ページに移動神経芽細胞腫は小児悪性腫瘍のおよそ10%程度を占めWilms腫瘍とならんで頻度が高く,年齢的には2歳以下に発生したものがほぼ半数を占める。したがつて年長児や成人に発生したものは稀であり時に診断が困難となる。
われわれは腹部腫瘤を主訴とし,他医において腎腫瘍の診断を受けた14歳女子を経過途中から診療する機会を持つたが,転医後4ヵ月目に死亡し剖検により神経芽細胞腫と判明した1例を経験したので報告する。また自験例において選択的腎動脈撮影を行なつており,その所見でも腎腫瘍を否定できなかつたが,神経芽細胞腫の動脈撮影診断およびその問題点に関し考察を試みた。また浸潤する悪性腫瘍の治療における血管内照射に関して若干の考察を加えた。
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