icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科27巻6号

1973年06月発行

文献概要

原著

Doxycycline(DOTC)抗菌剤の腎不全患者における血中濃度の推移について

著者: 安藤裕1 新美明達1 長谷川辰寿1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.473 - P.477

文献購入ページに移動
緒言
 Doxycyclin(以下DOTCと略す)はPfizer研究所にてメタサイクリンより合成された新しい広範囲抗菌剤である1,2)。この薬剤は従来のテトラサイクリン系薬剤と異なつて,経口投与により速かに腸管から吸収され,有効血中濃度維持時間が長く,最小発育阻止濃度が低いなどの特徴をもつているため,1日1回少量投与が可能な薬剤といわれている3)。またDOTCは他のTC系薬剤と異なつて,過剰の蓄積が起こらないとも報告されている5〜8)。最近は透析療法の確立により,慢性腎機能障害者の長期延命が可能となつたが,これら慢性透析患者の治療に際し,絶えず配慮しなければならないことの一つに薬剤の投与量の問題がある。ほとんどが腎機能廃絶状態である透析患者における抗菌剤の蓄積に伴う障害は特に注意を要する。上田はCER系,PC系の抗菌剤は高度腎機能不全者において蓄積作用を認めるが,透析療法により,透析膜からの濾過(約40%)も認めるので,蓄積されない程度で有効血中濃度を維持していくための投与量は48時間毎に0.5gのほか,透析後に0.5g追加投与が望ましいと報告している4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら