文献詳細
原著
尿路通過障害におけるRI腎機能検査—サンゴ状結石による腎障害の判定と問題点
著者: 櫻井勗1 生駒文彦1 竹内正文2 木下勝博2 時実昌泰2 佐川史郎2 園田孝夫2
所属機関: 1兵庫医科大学泌尿器科学教室 2大阪大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.647 - P.653
文献概要
サンゴ状結石腎の障害の程度を正確に判定し,その進行速度を予測することは本症の不可欠な診断行為である。このため多様な尿路閉塞を伴うサンゴ状結石腎の機能を正確に測定できる検査法が要求されるが,膀胱尿を用いる従来のクリアランス法では尿路閉塞による誤差が必然的に介入する欠点があり,腎盂撮影では尿流障害,特に部分的閉塞の有無を視覚的に容易に把握できても,閉塞によつてもたらされる機能障害を定量的に評価できないことはいうまでもない。
著者らは尿路通過障害のある症例には197Hg-chlomerodrin摂取曲線と血中消失曲線,続いて131I-hippuranレノグラムと血中消失曲線を記録し,検査時間を短縮させる場合は二核種の同時記録1)を行ない,最後に腎シンチスキャンをルーチンに行なつている。このRI検査の組合せはサンゴ状結石による多様な腎障害を分析する上でどのような情報を提供してくれるかを症例を中心に腎盂撮影像と対比させて検討し,同時に各検査法の問題点をも考察したので報告する。
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