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文献概要
原著
下大静脈後尿管の1治験例
著者: 宮下厚1 郷路勉1 池田務1
所属機関: 1茨城県立中央病院泌尿器科
ページ範囲:P.753 - P.756
文献購入ページに移動水腎症は日常診療でたびたび遭遇する疾患で,その原因としては尿路結石,尿路結核および先天性腎盂尿管移行部狭窄などが多い。血管が原因になつているものとしては,異常血管が尿管をしめつけるような走行をしていることがめずらしくないが,さらに稀なものとして下大静脈後尿管(Retrocaval ureter)がある。本症は尿管が下大静脈の後を通る先天性の奇型で右側にあるのが普通である。
現在,本邦で75例(1969年)の集計があるが,われわれは,本症の1治験例を経験したのでその概略を報告し,若干の文献的考察を行なつた。
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