臨床泌尿器科28巻1号

1974年01月発行

図譜 血管撮影シリーズ・1

Grawitz腫瘍

著者： 永井純¹ 田崎寛²

所属機関： ¹慶応義塾大学医学部放射線診断部 ²慶応義塾大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲：P.4 - P.5

文献概要

〔血管造影所見〕
　腹部大動脈造影（第1図）：左腎のApical segmentに向うaberrant arteryが大動脈より直接分岐している（→印）。
　左腎動脈は腎門部に至るまで，右腎動脈より太く造影され，左腎への血流が増加していることを示している。左腎動脈は，その大動脈の基始部より伸展挙上され，腎内動脈分枝も伸展し，左腎下半分の腫瘤陰影により外上方に圧排されている。左腎下半分には細かい血管よりなるnet-workが見られ，新生血管の増生を示す所見である。