icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科28巻1号

1974年01月発行

文献概要

文献抄録

人為的血栓形成による腎腺癌の治療

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.21 - P.21

文献購入ページに移動
 腎癌の広範な転移巣は,原発病巣が壊死に陥ると退行性変化を示すこと(Nalder 1971),あるいは腎腺癌はその50%の例に特異的な免疫反応を示すこと(Stjeruswärd 1970)も諸家により報告されている。もし腎腺癌の原発巣の大部分を壊死にさせると,転移巣に対する免疫学的作用も促進させることが考えられる。著者らは動物実験で簡単な手段で腎循還の栓塞をおこさせて,腎実質を広範に壊死に陥らせることに成功したので,この方法により,人体の腎腫瘍を縮少させ,腎摘出を容易にしかつ不慮の腎出血をなくすことを目的に臨床的に応用した。
 著者は19例の腎腺癌の症例について試みている。その方法は2cm立方の筋組織片を患者から無菌的に切除して,これを粉砕し,数mlの生食水に浮游させ,60%造影剤と共に15〜20mlの総量として腎動脈より注入する。症例の11例については30%糖液10〜20mlを追加注入した。症例19例中手術可能な9例は注入後10日から42日の間に腎摘出を施行して,諸種の検査を行なつた。19例の腎癌中11例に肺,骨,腔などに転移巣を認めていた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら