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原著
膀胱尿管逆流時における膀胱内圧上昇と尿管蠕動および腎盂内圧の関係
著者: 土田正義1
所属機関: 1東北大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.49 - P.54
文献購入ページに移動膀胱尿管逆流(vesicoureteral reflux VUR)のある場合,尿管の蠕動運動は膀胱内圧上昇時にどのような変化を示すだろうか。それに伴つて腎盂内圧はどうなるかという問題は,腎機能に直接関係する点で臨床上重要な意義を持つている。ところが従来この問題についての研究は非常に少なかつた。それは膀胱内圧を上昇させたときの尿管機能を知る優れた方法が知られていなかつたからである。
現在尿管機能を知る方法としては,尿管内圧の変動曲線を記録するurometryが広く行なわれているが,VURがあれば膀胱と尿管内腔は直接交通するから尿管静止圧も上昇し,収縮曲線は記録できなくなつてしまう。またレ線映画法もVUR存在下では実際の尿管収縮運動と単に造影剤が尿管腔を上行する状態とを区別できない。このような点から私ども1)は尿管筋電図法がこの研究にもつとも良い方法であることを述べた。
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