icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科28巻12号

1974年12月発行

文献概要

文献抄録

嚢胞腎末期の腎移植について

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.872 - P.872

文献購入ページに移動
 世界的には既に600例以上嚢胞腎疾患者,腎不全者に腎移植が行なわれている。著者らはMayo Clinicにて最近10年間に203例の腎移植を実施しているが,この内に11例の末期嚢胞腎症例がある。末期嚢胞腎者はいずれも腎移植前に両腎の摘出を行なつている。症例はすべて血尿,脊部痛,高血圧,尿路感染,結石形成などの症状,合併症を持つている。性別では5例が女性,6例が男性で,年齢は23歳から58歳にわたつている。これらの症例は1例の腹膜灌流実施者以外はすべて血液透析を行なつており,長い者は27ヵ月に及んでいる。Donorは8腎が生体で4腎は屍体より用い,HL-Aの最も適合するDonorが選ばれている。腎移植部は左右の腸骨窩を用い,尿管膀胱吻合を行なつている。以上の移植症例の成績をみると11例中2例が死亡し,82%の成功率であつた。死亡の原因は1例は突然の気管栓塞から心停止を来たしたもので,それまではcreatinine値も1.1mg/dlで外来で良好の経過の症例であつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら