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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科28巻3号

1974年03月発行

原著

両側単一性異所開口尿管症の1例

著者: 小柳知彦1 辻一郎1 折笠精一1 丸彰男1 平野哲夫1

所属機関: 1北海道大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.257 - P.262

文献概要

 異所開口尿管症はもはや稀な疾患でなく,これまでにも幾多の報告がある。大部分の症例は重複尿管と合併しており,診断治療の面でほぼ確立されたといつても良いであろう1,2,18,19)。重複尿管に伴わない異所開口尿管症は比較的稀である。これが一側性の場合,つまり偏側性単一性異所開口尿管の場合,診断はやや難しくなるが,治療法自体さほど問題はない。両側性単一性異所開口尿管となるときわめて稀であり,これまで欧米文献にも僅か33例の報告があるのみで1,3,4),本邦では学会報告例の中にThom Ⅱ型の異所開口尿管として僅か2例,奥山,沼里の累計の中に1例の記載があるが,いずれも詳細は不明であり,診断上疑問を残している16〜19)。両側性の場合,尿路に及ぼす影響も複雑となり,したがつて,治療もきわめて難しいものとなる。以下,最近当教室で経験した両側単一性異所開口尿管症の1例を報告し,その問題点について考察を加えてみた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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