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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科28巻4号

1974年04月発行

文献抄録

両側腎腺癌の腎摘出症例と文献的考察

ページ範囲:P.322 - P.322

文献概要

 腎癌は生体の悪性腫瘍の2.8%に発生し,米国の1971年の1年間で約6,700名が死亡している,妊婦に腎癌をみることは極めて稀であるが,著者は24歳の妊婦に発生した両側性腎癌の摘出症例を報告し,併せて文献的な報告を行なつている。
 著者の症例は24歳の白人の妊娠4ヵ月の婦人で,右季胸部に10×15cmの腫瘤を主訴に入院した。血液とその生化学的検査ではまつたく異常を認めないが,IVPおよび腎選択的動脈撮影により右腎腫瘍と診断して腎摘施行,組織は淡明細胞癌であつた。摘出時に反対側の腎触診で3個の硬結が触知され,左側にも腫瘍の存在を認めたので,日を改めて重要臓器・骨などに転移のないことを確認のうえ左腎をも摘出し,以後人工透析を行なつている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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