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特集 泌尿器科領域における生検
TURによる膀胱生検
著者: 小柴健1
所属機関: 1北里大学医学部泌尿器科
ページ範囲:P.327 - P.336
文献購入ページに移動膀胱腫瘍の診断は膀胱鏡によつて比較的容易になしうる。熟練した専門医であれば,その所見によつて腫瘍の悪性度に関してもおおよその見当をつけることができ,それが組織学的検査結果とかなり高率に一致することはすでに知られている。しかし一方,膀胱腫瘍も比較的大きなものでは全体が同一の組織学的悪性度のものであるとは限らず,比較的低悪性度の腫瘍の一部に高悪性度の所見が認められたり,多発性腫瘍においてもそのすべてが同一悪性度とは限らず,その一部のものに悪性度,浸潤度の異なつたものが見られるのも事実である。したがつて従来しばしば行なわれてきた経尿道的な生検鉗子による生検では,病変全体の臨床像を正確につかむには不十分であるといえよう。
著者は昭和35年以来,もつぱらTURにより膀胱内の諸種生検を施行しているので,その経験ならびに臨床的価値に関する考察についてのべることにする。
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