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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科28巻4号

1974年04月発行

文献概要

Urological Letter・160

前立腺癌の生検—根治手術標本では癌は否定

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.354 - P.354

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 67歳の患者を診たが,前立腺の左葉に硬い部分があつた。IVP,膀胱鏡検査,血清酸フォスファテースの検査などを行なつたが,いずれも正常であつた。シルバーマン針で会陰式に生検を行なつたところ,病理の解答は前立腺の浸潤性腺癌ということであつた。そこで1970年11月に根治的前立腺摘出術を行なつた。ところが,この摘出標本については何ヵ所も繰り返ししらべたが,悪性所見はないという答が病理から返つてきた。そこで多くの病理学者が前の生検標本や摘出標本について検討した。そして総ての人が初めの診断に同意した。
 この患者は今日でも健康である。手術して以来,レ線学的にも臨床的にもまた生化学的にもまつたく前立腺癌の徴候は出ていない。この明らかな矛盾を適切に説明できるものはない。しかし,あえて考えれば次のことが挙げられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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