文献詳細
綜説
文献概要
Peyronie's diseaseはInduratio penis plastica成形性陰茎硬結症ともいわれ,1743年フランスの外科医Peyronieが始めて発表した疾患である。以来,2世紀以上も経過したが,その成因や病態生理に関しては未解決のままに残されている。本症は主として陰茎幹部に板状ないしは結節状の硬結を生じ,勃起時陰茎の疼痛や屈曲をきたし,しばしば性交不能を訴える比較的稀な疾患である。生命に対する予後が良好であるとはいつても,性障害は離婚問題に発展したり自殺の傾向も報じられているばかりではなく19),患者自身にとつては性能力の低下が人生の終点に近づいていることを懸念して心配する2)。
従来,本症は数多くの名前で報告されていたが,このことは本症の本態についての知識が乏しいためと考えられ,必然的に多くの治療が生まれてくるようになつた。著者に与えられたテーマは本症の最近の治療であるが,本題に入る前に最近の本症に関する動向を紹介しておいた方が治療法を理解する上で重要なことと考えられるので,従来の見解と対比して触れておきたい。
従来,本症は数多くの名前で報告されていたが,このことは本症の本態についての知識が乏しいためと考えられ,必然的に多くの治療が生まれてくるようになつた。著者に与えられたテーマは本症の最近の治療であるが,本題に入る前に最近の本症に関する動向を紹介しておいた方が治療法を理解する上で重要なことと考えられるので,従来の見解と対比して触れておきたい。
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