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雑誌目次

雑誌文献

臨床泌尿器科28巻7号

1974年07月発行

雑誌目次

図譜 血管撮影シリーズ・7

腎盂腫瘍

著者: 永井純 ,   田崎寛

ページ範囲:P.488 - P.489

〔X線所見〕
 経静脈性腎盂造影像(第1図)
 右腎下極の漏斗部より腎杯にかけて辺縁不整の虫食い状の陰影欠損像がみられ,右腎盂は内上方に向い圧排されたような所見をしめす。

図譜・417

キット腎尿管

著者: 三品輝男 ,   森康行 ,   大江宏 ,   村田庄平 ,   青河寛次 ,   中尾栄祐

ページ範囲:P.490 - P.491

 症例 北○ヒ○ミ,45歳,主婦。
 主訴 高熱と左腰痛。

図譜・418

巨大な前立腺肥大症の1例

著者: 亀田健一 ,   藤田幸雄

ページ範囲:P.492 - P.493

 患者 85歳,男子。
 初診 48年6月14日。

綜説

精索静脈瘤

著者: 前川正信 ,   新武三

ページ範囲:P.497 - P.504

 精索静脈瘤とは主に陰嚢内における蔓状静脈叢の屈曲や延長に基づく異常拡張である。一般に陰嚢の皮膚を通じて外部からやや青味を帯びて見えるものであるが,柔かい凹凸不整な隆起として触れる場合がほとんどである。そして仰臥位により消失するか,極めて軽度の隆起となり,立位で再び出現する傾向がある。

Urological Letter・162

Ⅰ.再発性腎結石の予防法/Ⅱ.恥骨上膀胱穿刺による小児の採尿

ページ範囲:P.504 - P.504

 サルファ剤や抗生剤は尿素分解菌の感染を治療することで尿路結石の再発予防に大いに役立つてきた。特殊化学療法が始まつたのはおよそ15年前である。
 結石の再発に対する化学的予防の最初の大きな歩みはAllopurinalであつた。1日に2回本剤の100mgを用うることで尿酸結石の再発はほとんどなくなつた。この治療法は漠然と続けられている。血液像,肝機能,血液化学検査は初めはしばしば行なわれる。そして,数年間は6ヵ月に1度,そのあとは年に1回あて行なわれる。

手術手技

睾丸腫瘍の根治手術

著者: 三矢英輔 ,   三宅弘治

ページ範囲:P.507 - P.512

 睾丸腫瘍のうち,精細胞腫の治療法には異論はないが,胎生癌,奇形癌,絨毛癌の治療様式には意見の一致がみられない。したがつて外科的治療が主体をなすとはいうものの,それを補う放射線療法および化学療法についても十分な理解を有して始めて適切な治療が期待できる。

原著

盲管重複尿管の1例

著者: 佐々木忠正 ,   上田正山 ,   三木誠 ,   町田豊平 ,   南武

ページ範囲:P.513 - P.517

緒言
 盲管重複尿管(Blind Ending Bifid Ureter)は尿管奇形の中では非常に稀な疾患である。本邦では1929年,高橋1)の尿管憩室としての報告が最初で,その後,尿管憩室という言葉が一般に使用されてきたが,最近,発生過程の見地より盲管重複尿管と尿管憩室を区別する傾向にある。著者らは最近,膀胱腫瘍を合併した盲管重複尿管の1例を経験したので報告し,大矢の集計(1971)2)に10例を加えた31症例について統計的観察を行ない,本症の臨床像について検討する。

後腹膜嚢腫の1例および本邦後腹膜嚢腫の統計的観察

著者: 大井鉄太郎 ,   松岡敏彦 ,   鈴木三郎

ページ範囲:P.521 - P.528

はじめに
 後腹膜腔の嚢腫性腫瘍についての報告は内外ともに少ない。われわれは後腹膜腔の漿液性嚢腫の一経験例と併せて本邦における後腹膜嚢腫の集計を報告する。

膀胱褐色細胞腫の1例

著者: 勝見哲郎 ,   川口光平 ,   宮崎公臣 ,   松浦一

ページ範囲:P.529 - P.533

緒言
 褐色細胞腫は,近年生化学的検査法やレ線検査法の進歩,麻酔や手術手技の向上などと相まつて腫瘍摘除の成功例が数多く報告されるようになつたが,膀胱に発生した褐色細胞腫の報告例は少ない。最近われわれはその1例を経験したので報告する。

Trihydroxypropiophenone投与が著効を示した射精障害の2例

著者: 安達国昭 ,   木村行雄 ,   木崎徳 ,   伊勢和久

ページ範囲:P.535 - P.537

はじめに
 最近,われわれはCOMT阻害剤であるtrihy-droxypropiophenoneが,射精障害に有効であることを経験したのでここに報告する。

副腎性器症候群における陰核形成術

著者: 福岡洋 ,   寺島和光 ,   諏訪珹三

ページ範囲:P.541 - P.547

緒言
 いろいろの原因で発生するインターセックスにおいて女性と決定した場合,陰核肥大を伴う症例では患者の精神面や外観上の問題,家族の希望などから肥大した陰核に対する処置が必要となる。
 このため従来より陰核肥大に対しては陰核切除術が行なわれてきており,この場合成人に達してからの性生活において陰核は必ずしも必要でないという考えが基礎となつている。しかし,陰核切除術を受けた症例が成人に達した後の追跡調査は未だ十分でないため,本来存在する陰核は極力保存した方がよいという考えから最近は陰核を保存する陰核形成術も報告されてきている。

陰茎壊死をきたしたWegener's Granulomatosis

著者: 長田尚夫 ,   井上武夫 ,   平野昭彦 ,   田中一成

ページ範囲:P.549 - P.553

緒言
 Wegener's GranulomatosisはF.Wegener(19361),19392))によつてくわしく報告された1つの独立疾患である。気道とくに上気道の進行性壊死性病変が先行し,ついで全身に撤布性病巣を生じて各臓器の症状を呈し,とくに腎障害を必発して致命的となり,予後不良な疾患である。現在に至るまで病因が確立されないままに,耳鼻咽喉科,内科,眼科,皮膚科,病理など,広い分野で報告されているが,主な病変が他科領域に属するためか,泌尿器科領域において内外ともいまだ報告がない。
 最近,われわれは陰茎壊死をきたしたWegener'sGranulomatosisの症例を経験した。その臨床経過を報告するとともに,腎障害を惹起するがゆえに泌尿器科医として知つておかなければならない疾患であるので,本症の概要を紹介する。

文献抄録

前立腺潜在癌の予後

ページ範囲:P.528 - P.528

 前立腺の潜在癌や,stage Aの癌は,剖検時あるいは生検において見い出されるが,その治療の要否については諸家の意見は一致をみていない。ある人は積極的外科治療をすすめるが,著者らはむしろなんら治療せず経過観察することにしている。また潜在癌に対する抗男性ホルモン治療にも疑問をもつている人もおり,Greene(1955)らは女性ホルモン治療群と無治療群の生存率に差のないことを指摘しており,著者もこの点について検討を加えて報告している。
 著者らはMason Clinicにおいて,1972年までに714名の前立腺癌患者を集計しているが,この内stage Aは71名で,精査し得た47名を対象に調査した。治療法については23名にstilbestrol 1日1mg連日投与,22名はまつたく無治療,2名は全摘除を行なつた。これらstage A症例の癌進展度の検索では,39名は2ないし3ヵ所の小結節形成癌であり,8名は腺内に瀰漫性に浸潤を呈している例で,うち3名は未分化癌の組織像を示した。

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内国文献

ページ範囲:P.557 - P.558


 産科ショック後の急性腎不全—特に早期診断と早期透析について,井手道雄・他:産と婦,41;(5),55,1974.
 腎疾患と高脂血症,清水隆:メディチーナ,11;(4),46,1974.

基本情報

臨床泌尿器科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1332

印刷版ISSN 0385-2393

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