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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科29巻12号

1975年12月発行

文献概要

綜説

進行性前立腺癌の治療と予後

著者: 岡田清己1

所属機関: 1日本大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.1011 - P.1020

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緒言
 前立腺癌の治療法,予後に関して今まで多くの発表があり,それに対する追試,批判がなされてきた。1941年以来,内分泌療法(去勢術,Estrogen投与)は前立腺癌の治療法として脚光を浴びたが,1950年Nesbitら1)の統計にて,この治療法の限界が示された。すなわち内分泌療法は根治的な治療法ではなく,癌は一時期寛解するが,その後再び増悪の傾向をたどるということであつた。癌の治療を行なうにあたり,予後を規制する因子を考えておかねばならない。すなわち宿主側と腫瘍側の要因である。宿主側因子としては,癌発生時の年齢,合併症の有無があり,前立腺癌は高年齢層に多発することは剖検例からも指摘されているところである2〜4)。そのため多くの症例で根治手術を行なうことができない。腫瘍側因子としては腫瘍の浸潤程度,組織学的悪性度,治療に対する癌の感受性などが考えられるが,前立腺癌は初診時より進行している症例が多く,そのために根治手術が不可能である。このように宿主側,腫瘍側の両因子からみても根治手術ができず,そのため前立腺癌の予後が悪いと考えられる。予後を左右する最も大きな因子は癌の浸潤,進行程度である。以下これについてのべてみる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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