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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科29巻3号

1975年03月発行

文献概要

原著

ファイバー膀胱・尿道鏡についての新しい試み—金属外套管の併用法

著者: 阿曾佳郎1 横山正夫1 福谷恵子1 垣添忠生1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院泌尿器科

ページ範囲:P.221 - P.225

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はじめに
 下部尿路系—膀胱,尿道の内視鏡については,従来の硬性鏡が非常に優れ,消化器系あるいは呼吸器系におけるがごとく,とくにファイバースコープを活用しなくても診断,治療上さしたる不便はない。ファイバースコープを膀胱あるいは尿道鏡として活用する際,現状では硬性鏡と比較し,種々の欠点がある。第一に,硬性鏡のように外面が平滑でなく尿道を通過させる際に抵抗が大きく,疼痛の原因となる。第二に,ファイバースコープの先端がどこにあるかを知ることが難しい,またその先端を術者が観察したいと思う場所にもつてゆくことが困難である。第三に,男性の場合には尿道の抵抗が大きいので,ファイバースコープをその軸のまわりに回転させても必ずしもその力がそのままスコープの先端に伝わらず,先端の向きを変えるのが困難で,その位置も不確かである。第四に,"見えの大きさ"が小さい。第五に,解像力が劣り,像が不鮮明である。第六にスコープ中に潅流用の水を流すための十分なスペースを組み入れることが技術的に難しい。以上のようにファイバースコープにはさまざまな欠点あるいは制約があるが,以下にあげる利点もある。第一に十分に明るいcool lightをうることができ,それゆえストロボ,フラッシュなど面倒な装置を使用せずとも写真撮影が可能である。第二に屈曲性があるので見返しがきき,膀胱頸部をよく観察しうる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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