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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科29巻4号

1975年04月発行

文献抄録

尿道内のCondyloma acuminatumに対する5F-Uクリーム治療

ページ範囲:P.274 - P.274

文献概要

 尿道内にみられるCondylomaacuminatumは花キャベツ状を呈し,無害ではあるが,尿道の刺激症状や感染の原因となり,放置すれば尿道の閉塞,尿瘻などを形成する。場合によつては尿道に広く発生して膀胱摘出さえ行なうことがある。従来尿道内のCondy.acumina.に対する治療はいろいろ試みられているが,満足すべき方法はないのが現状である。最近では尿道内薬物注入療法としてthio-tepaあるいはcolch-icine水溶液などが使用されているが,頻回かつ長期の注入が必要であり,また尿道痛,尿道炎の発生が患者を悩ませている。
 著者らは5F-Uの抗腫瘍作用に着眼して,試験的に5%5F-Uクリ—ムの注入を試みて良好な成績を得て報告している。症例は1970年より4年間に経験した20例で,うち15例は尿道口に限局して病巣があり,4例は尿道口より更に遠位に発生しており,1例は陰茎と尿道球部・前立腺部に病巣のある症例であつた。5%5F-Uクリームは,尿道麻酔に用いる円錐形の注入口をそなえた25g入りのチューブに入れてある。このクリームを排尿後と就床時に2ml尿道口より注入する。この際他の健康な皮膚にクリームが付着しないよう注意する。使用期間は症例により多少異なるが,普通3ないし8日の使用でCondy.acumina.は消失する。病巣が外尿道口より遠位にある場合には,尿道腔を満すように充分クリームを注入する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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