文献詳細
原著
抗癌剤による腹膜灌流が奏効した末期女子尿道癌の1例
著者: 萩原正通1 小川由英1 岡田敬司1 尾関全彦1 東福寺英之1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.325 - P.329
文献概要
泌尿器科領域において癌性腹膜炎患者を経験することは比較的稀と思われる。また,このような末期癌患者は,一般に顧みられない傾向にあり,その治療法も,腹水の排液,輸液,輸血,利尿剤の投与などの姑息的対症療法の他,せいぜい抗癌剤の全身投与などにとどまることが多い。
今回,われわれは,入院時すでに癌性腹膜炎および多発性の肺転移をきたしていた末期女子尿道癌患者に対し,1つの積極的治療法として,抗癌剤による腹膜潅流を試み,著効を得たので報告する。
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