icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科29巻7号

1975年07月発行

文献概要

原著

尿石の再結晶法とX線回折法による比較検討

著者: 金子直之1

所属機関: 1日本医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.595 - P.601

文献購入ページに移動
緒言
 尿石症も成分によつては内服療法で予防,あるいは治療できるようになりつつあり1,2),尿石症の治療にあたつては,その成分を知る必要性がますます増大している。周知のごとく尿石の組成を知り,その生因,生成過程を知ろうとする試みは,既に多くの学者によりなされており,分析学の進歩にともない,漸次操作が容易でしかも検査結果の優秀な装置が導入されるようになつてきた。自動記録式X線回折装置(X-ray Diffractometer)3)や赤外分光分析装置4)などはその良い例である。将来は更に小型で,しかも正確かつ迅速に分析結果の得られる装置が開発され,臨床医の手もとや,すべての検査室に置かれる時期が来るにちがいない。しかるに,これらの装置は今日,なお高価で一部の研究機関に所蔵されているにすぎない。
 1970年,Marscek&Burchardt5)は尿石を再蒸留水にて溶解,濾過し,スライドガラス上で再結晶せしめるという,きわめて簡単な操作による尿石成分の分析法を発表した。著者は本法が簡易で,多忙な臨床医にも容易に行なえる点に着目し,1971年以来,本法に従つて,日常臨床の尿石分析法としての応用を企図しているが6〜10),その成績は必ずしもMarscek&Burchardtの発表とは一致していない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら