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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科29巻8号

1975年08月発行

文献概要

原著

自家大伏在静脈による透析用外シャントの内シャント化

著者: 桑原正明1 熊谷郁太郎1 根本良介1 阿部忠昭2

所属機関: 1秋田大学医学部泌尿器科学教室 2秋田大学医学部外科学教室

ページ範囲:P.655 - P.658

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緒言
 Quintonら1)の考案した外シャントの出現は慢性腎不全患者の血液透析に一大福音をもたらしたが,シャント部の感染および血栓形成による閉塞がおこりやすく,また患者が社会復帰した際には日常生活が著しく制限されるという欠点がある。ところがその後Bresciaら2)の発表したarterio-venous fistula(以下A-V fistula)による透析はこれらの障害をほぼ解決することになり,最近はわが国でも内シャントによる血液透析が増加している3)。しかし内シャントを形成してから十分使用可能となるまでは通常2〜3週間を要するので患者が重篤な慢性腎不全でただちに透析が必要な場合には取りあえず外シャントを作つて血液透析を行なうことが多い。こうした患者でも一般状態が改善し社会復帰が可能となれば内シャント透析に移行する方がよいと思われる。
 外シャントによる透析から内シャントのそれに移行する場合には,内シャントを外シャントとは別個の場所に造設することが多いようである。しかし,現時点では患者は腎移植が行なわれない限り人工腎臓から解放されることはないから,内シャントの寿命が外シャントに比べ長いとはいえいずれ使用不能になる場合を考えると内シャント造設に利用可能な血管,とくに動脈はできるだけ保存することが望ましい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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