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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科29巻8号

1975年08月発行

原著

腎移植患者における17例の腎血管性高血圧

著者: 長谷川昭12 H.H.Newsome.Jr.1 J.C.Pierce1 H.M.Lee1 D.M.Hume1

所属機関: 1ヴァージニア医科大学外科 2現:都立清瀬小児病院泌尿器科

ページ範囲:P.660 - P.666

文献概要

 腎移植を受けた患者の血圧は,移植腎機能が満足すべきものであるならばその多くは正常化する。しかしながら,移植前既に存在した高血圧が移植術後も持続するものや,移植術後ある期間正常血圧に戻りながら,その後ふたたび高血圧を発症する例も少なくない。このような腎移植患者に高血圧を来す原因としては次のものがあげられる。1)術直後の移植腎機能不全:これは主として屍体ドナー移植の場合に,温阻血時間や低温灌流時間が異常に延長したものにみられる1),2)急性拒否反応1〜3),3)慢性拒否反応4〜6,22),4)抗免疫剤として投与されるステロイドホルモン6),5)食塩・水の体内蓄積,6)腎周囲線維化7),7)糸球体腎炎の再発8),8)移植腎動脈狭窄9〜16)
 移植腎動脈狭窄は,高血圧を惹起するだけでなく,移植腎機能を悪化せしめ,時に慢性拒否反応の診断のもとに正しい治療を受ける機会を逸してしまう危険性がある。外科的血管修復術によつて高血圧のみならず,腎機能をも改善せしめうるこの疾患について,ヴァージニア医科大学臨床移植センターにおけるわれわれの経験した17症例を検討する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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