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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科30巻11号

1976年11月発行

原著

腎静脈カテーテル法による分腎機能検査法—腎静脈血流量測定を基礎として

著者: 坂田安之輔1 青島茂雄1 平岩三雄1 入倉英雄1 佐藤昭太郎1 田村康二2 坂内省五2 浜斉2

所属機関: 1新潟大学医学部泌尿器科学教室 2新潟大学医学部内科学第一講座

ページ範囲:P.929 - P.934

文献概要

はじめに
 腎静脈カテーテル法の臨床への導入は,ヒト腎臓における種々の指示薬の除去率,あるいは酸素消費率の測定を可能とし,本邦においては,上田ら(1954)1),井上ら(1954)2〜4)による優れた業績が発表された。特に,分腎機能を把握する必要のある外科的疾患腎において腎機能を最も精緻に表現し得る意義は大きく,また,分腎クリアランス法と併用して一側腎の総血流量を知ることも可能となつた。その後,カテーテル器材の進歩,Seldinger針の使用によつて,股静脈から上行性に腎静脈へ挿入する簡易な手技が開発され,さらに近年は,腎静脈血中のレニン活性濃度を比較することによつて,外科的腎性高血圧症の手術適応の判定が行なわれるようになつた結果,腎静脈カテーテル法の適応範囲が一層拡げられて来ている。しかしながら,腎を介して尿中へ除去される,あるいは血中へ放出される物質の絶対量をみるためには,腎血流量を簡易に,かつ高い再現性で測定する手技が必要とされるが,従来,この点が臨床検査上の隘路となつていた感がある。
 最近,著者らは主として循環器科領域で,心拍出量の測定,冠状静脈洞の血流量測定に用いられている局所熱希釈法を腎静脈へ応用し,腎静脈血流量を測定すると共に腎静脈血の分析を行ない,併せて腎機能を評価しようと試みて来た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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