文献詳細
綜説
文献概要
はじめに
悪性腫瘍の治療という立場から見ると,泌尿器科領域には臓器の種類もさることながら病理的にあるいは臨床的に多彩な腫瘍が多いため,治療法も多岐にわたつており,治療大系の中で放射線治療の占める位置もさまざまである。一般的にいえば,頭頸部領域,婦人科領域と比較すると放射線治療の占める位置は狭いものであり,わが国において治療指針の中に放射線の役割が明確に記載されているのはSeminomaとWilms腫瘍ぐらいなものであろう。泌尿器科領域の腫瘍においては,腫瘍の病像,腫瘍治癒線量,ならびに腫瘍周囲正常組織耐容線量などから放射線治療が治療の主役になり得ないものが多いのも事実であるが,主役になり得ずとも治療に不可欠な役割には大きなものがあると信じている。このような事情から,私見をまじえて泌尿器科領域における放射線治療の現況をまとめてみた。
悪性腫瘍の治療という立場から見ると,泌尿器科領域には臓器の種類もさることながら病理的にあるいは臨床的に多彩な腫瘍が多いため,治療法も多岐にわたつており,治療大系の中で放射線治療の占める位置もさまざまである。一般的にいえば,頭頸部領域,婦人科領域と比較すると放射線治療の占める位置は狭いものであり,わが国において治療指針の中に放射線の役割が明確に記載されているのはSeminomaとWilms腫瘍ぐらいなものであろう。泌尿器科領域の腫瘍においては,腫瘍の病像,腫瘍治癒線量,ならびに腫瘍周囲正常組織耐容線量などから放射線治療が治療の主役になり得ないものが多いのも事実であるが,主役になり得ずとも治療に不可欠な役割には大きなものがあると信じている。このような事情から,私見をまじえて泌尿器科領域における放射線治療の現況をまとめてみた。
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