icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科30巻4号

1976年04月発行

文献抄録

膀胱癌患者とCarcinoembryonic Antigen

ページ範囲:P.287 - P.287

文献概要

 GoldとFreedman(1965)によつて見出されたCarcinoembryonic an-tigen(CEA)は,初めは結腸癌患者血清中に特異的に見出される抗原と考えられたが,その後の検索で生体の各種の悪性腫瘍患者の血清中に見られることがわかり,またHausen(1974)らはheavey smokerの血清CEA値の高いことを報告している。膀胱癌患者の尿中にもCEA様抗原が見出されて,血清中のCEAと同一のものとされた。著者らは膀胱癌患者の24時間尿と血清のCEAについて検討報告している。61名の膀胱癌患者で男性44名,女性17名で,年齢は23歳より80歳に及んでいる。癌患老を6群に分け,第1群は膀胱癌治療後再発をみないもの,第2群は経尿道的治療後小腫瘍のみ残存するもの,第3群は浸潤度O〜Aの表在癌,第4群は浸潤度B〜Cの浸潤癌,第5群は転移巣のあるD1〜D2群,第6群は膀胱全摘,回腸導管形成群とした。対照として健康成人44名と悪性疾患のない泌尿器患者14名を選んだ。検査成績についてみると,対照の44名では尿中CEA値は98%が2.5ng/ml(正常0〜2.5ng/ml)以下で,悪性腫瘍のない泌尿器患者14名では4名が正常以上の値を示したが,この4名は結石2名,尿路感染2名であつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら