文献詳細
原著
文献概要
緒言
産婦人科手術ならびに分娩後の合併症としての膀胱腟瘻は,泌尿器科医の対象となる以前に産婦人科医によつて経腟到達法で手術を受けていることが多い。経腟到達法が困難な症例や経腟到達法で不成功に終わつた症例が泌尿器科医の対象となり,その多くは経腹腔的,経膀胱的到達法をもつて手術されている。われわれは経腟到達法が困難と思われる後三角部の示指頭を通ずる大きさまでの5例の膀胱腟瘻症例に対し,瘻孔切除断面の膀胱壁の血流が縫合後も確保されることが治癒の第一義的因子と考え,O'Cornor1),Moir2),Akkilie3),更に本邦では,舟生4)らにより行なわれている恥骨上式膀胱腟瘻閉鎖術を簡素化して,経腹腔,経膀胱的に瘻孔閉鎖術を行ない,3年から7年6カ月の予後観察で良好な結果を得たので,その術式ならびに遠隔成績を報告し,若干の考察をのべる。
産婦人科手術ならびに分娩後の合併症としての膀胱腟瘻は,泌尿器科医の対象となる以前に産婦人科医によつて経腟到達法で手術を受けていることが多い。経腟到達法が困難な症例や経腟到達法で不成功に終わつた症例が泌尿器科医の対象となり,その多くは経腹腔的,経膀胱的到達法をもつて手術されている。われわれは経腟到達法が困難と思われる後三角部の示指頭を通ずる大きさまでの5例の膀胱腟瘻症例に対し,瘻孔切除断面の膀胱壁の血流が縫合後も確保されることが治癒の第一義的因子と考え,O'Cornor1),Moir2),Akkilie3),更に本邦では,舟生4)らにより行なわれている恥骨上式膀胱腟瘻閉鎖術を簡素化して,経腹腔,経膀胱的に瘻孔閉鎖術を行ない,3年から7年6カ月の予後観察で良好な結果を得たので,その術式ならびに遠隔成績を報告し,若干の考察をのべる。
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