文献詳細
原著
文献概要
緒言
精嚢腺の機能は不明の点が多く,古くは精子を貯蔵する器官であると考えられていた。しかし,Beemら1)はラットおよびヒトの精嚢腺を結紮して取り出し,内容物に精子が認められなかつたことから,精嚢腺は精子を貯蔵する器官ではないことを明らかにした。現在では精嚢腺の主な作用は吸収作用と分泌作用にあるとする考えが有力である。吸収作用についてはBattke2)は精嚢腺から131Iが取りこまれることから,またLindblomら3)は精嚢腺に注入した造影剤が消褪することからその存在を主張している。しかし,造影剤の消褪は精嚢腺の分泌液とともに造影剤が尿道に排泄されたためとも考えられ,この問題に関しては未だ定説がない。
今回われわれは造影剤の消褪を中心として精嚢腺の分泌作用および吸収作用を動物実験とヒトの精嚢腺造影において検討したので報告する。
精嚢腺の機能は不明の点が多く,古くは精子を貯蔵する器官であると考えられていた。しかし,Beemら1)はラットおよびヒトの精嚢腺を結紮して取り出し,内容物に精子が認められなかつたことから,精嚢腺は精子を貯蔵する器官ではないことを明らかにした。現在では精嚢腺の主な作用は吸収作用と分泌作用にあるとする考えが有力である。吸収作用についてはBattke2)は精嚢腺から131Iが取りこまれることから,またLindblomら3)は精嚢腺に注入した造影剤が消褪することからその存在を主張している。しかし,造影剤の消褪は精嚢腺の分泌液とともに造影剤が尿道に排泄されたためとも考えられ,この問題に関しては未だ定説がない。
今回われわれは造影剤の消褪を中心として精嚢腺の分泌作用および吸収作用を動物実験とヒトの精嚢腺造影において検討したので報告する。
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