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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科30巻5号

1976年05月発行

原著

精嚢腺の機能,とくに吸収作用と分泌作用について

著者: 根本良介1 桑原正明1

所属機関: 1秋田大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.391 - P.394

文献概要

緒言
 精嚢腺の機能は不明の点が多く,古くは精子を貯蔵する器官であると考えられていた。しかし,Beemら1)はラットおよびヒトの精嚢腺を結紮して取り出し,内容物に精子が認められなかつたことから,精嚢腺は精子を貯蔵する器官ではないことを明らかにした。現在では精嚢腺の主な作用は吸収作用と分泌作用にあるとする考えが有力である。吸収作用についてはBattke2)は精嚢腺から131Iが取りこまれることから,またLindblomら3)は精嚢腺に注入した造影剤が消褪することからその存在を主張している。しかし,造影剤の消褪は精嚢腺の分泌液とともに造影剤が尿道に排泄されたためとも考えられ,この問題に関しては未だ定説がない。
 今回われわれは造影剤の消褪を中心として精嚢腺の分泌作用および吸収作用を動物実験とヒトの精嚢腺造影において検討したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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