icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科30巻5号

1976年05月発行

交見室

再生を利用した膀胱拡大術(臨泌30巻4号,田口裕功)を読んで,他

著者: 田崎寛1

所属機関: 1慶応大学泌尿器科

ページ範囲:P.446 - P.446

文献概要

 すでに3年前のAmerican Urological Association(AUA)の総会で,ある若い泌尿器科医から「日本で紙を使つて膀胱拡張術を行なう手術が開発されたと聞いているが,実際にどのようなテクニックを使い,どのような成績であるか」と休憩時間にロビーで尋ねられたことがある。田口氏はその頃膀胱拡張術を始めて間もなかつたと思うが,私はその時まずこのように早く諸外国に日本国内の仕事も伝わるようになつたかと感心し,手術については私の知る範囲のことを質問者に伝えておいた。その後田口博士の論文はごく最近の日本泌尿器科学会誌67巻4号のも含めて通読させていただいているが,腸管利用の方法に対する方法,あるいはcontinenceを保たせる方法のひとつとしてこの和紙とノベクタンを利用した方法に徹しておられ,立派な成績をあげられていることに感服する。しかし私が素朴に疑問として感じるのは,再生という言葉の意味である。再生とは欠如した組織の部分に機能と形態を伴つたものが再びできあがると理解したい。その点で再生能力については「少しでも正常に近い組織の存在が必要」と述べられているが,本来病変のある組織であるからそこに感染や年齢などの要素が複雑に加わつているものと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら