臨床泌尿器科30巻6号

1976年06月発行

原著

X線上striated vascular patternを示した腎癌の病理学的検討

著者： 矢崎恒忠¹ 富田勝¹ 秋元成太¹ 近喰利光¹ 川井博¹ 隈崎達雄² 浅野伍朗³

所属機関： ¹日本医科大学泌尿器科学教室 ²日本医科大学放射線科学教室 ³日本医科大学病理学教室

ページ範囲：P.481 - P.485

文献概要

緒言
　選択的腎血管撮影は腎癌の診断に欠かせない方法である。同時に，この検査により腎癌の存在以外に，癌の腎静脈および下大静脈への浸潤がX線的に診断できることがある。われわれは最近，Fcrrisらにより報告された"striated vascular patt-ern"を示した腎癌を経験したので，病理学的検索を主としてX線的関連および臨床的意義についてここに報告する。